小額から始められる一口馬主とは
少額から始められる一口馬主の注目度が高まっています。
一般的に通常の馬主は一部の富裕層しか利用できない厳しい登録要件が定められていますが、一口馬主であれば安いケースで一口数千円から手軽に始められます。
一口馬主は名称の通り、複数の会員が共同所有する馬主で、40~2,000口に分割して募集することが多いです。
出資した馬が賞金を獲得すれば口数に応じて出資者へ分配される仕組みで、大活躍すれば馬券では得られないような大金が手に入ります。
当サイトでは、一口馬主に興味を持っている方に向けて、一口馬主のルールや期待値などの基礎知識を幅広く解説していきます。
一口馬主の仕組み
通常の馬主は個人馬主、法人馬主、組合馬主の3種類があり、法人馬主となるクラブが会員に対して出資を募集するのが一口馬主です。
一口馬主を募集しているクラブは現存するもので約23カ所あり、大手生産者として知られる社台、サンデーをはじめ昨今ではDMMなどの大手が参入しています。
クラブが一口馬主を募集する馬を仕入れたら、クラブ側が裁量で40~2,000分割の口数設定をして募集し、個人会員が匿名組合になって希望する口数に応じた出資を行う仕組みです。
なお、一般的にクラブでは1頭あたりに出資できる口数は全体の10%が上限になっていて、人気の高い馬やクラブでは抽選になって希望する口数に出資できない場合もあります。
一口馬主による匿名組合員で厩舎への預託料や保険などの必要維持費を折半。さらにクラブ側へ月額3,000円ほどの会費を支払って馬を管理してもらう流れです。
一口馬主は儲かる?
一口馬主は黒字化率が平均13%ほどで勝率の高い投資法ではありません。
保険を支払うため、出資金が一切戻ってこないことは原則ありませんが、相応の活躍をしないと元を取れないので注意しましょう。
投資した馬の運用状況の目安をまとめました。
デビュー率 | 95%以上 |
---|---|
勝ち上がり率 | 30~50% |
2勝馬率 | 15~30% |
3勝馬率 | 5~20% | 黒字化率 | 平均13%(5~25%) |
収益性についての指標はクラブによって大きく変わってきます。
黒字化率は低いですが、G1馬になるなどの活躍をすれば1,000%以上のリターンを期待できます。
なお、2020年1月31日現在、以下4つのクラブは平均募集額より平均賞金額が上回っています。
- キャロットクラブ
- ノルマンディーオーナーズクラブ
- シルクホースクラブ
- サンデーサラブレッドクラブ
上記の4つのクラブは募集する全馬に出資すれば、出資額より賞金が上回る仕組みです。
ただし、維持費や源泉徴収で支払われる税金を考慮すれば、実質的な回収率はいずれも100%を下回っています。
宝くじのように勝率は低いけど大きなリターンを期待できる特性を持っていて、確実性を求める投資商品を求めている方にはおすすめできません。
一口馬主は収益など数字とお金で現れる結果だけではなく、手軽に馬主気分を味わってエクサイティングなレース観戦をする点に魅力を感じなければ投資価値が低いです。
一口馬主の募集がある馬
一口馬主と聞くと、富裕層である通常の馬主が買わないような期待値の低い馬しか回ってこないイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
実際の所は、一口馬主は競りで落札された金額が公開されていて、G1馬になれるポテンシャルを持った将来有望な競走馬が多数募集されています。
一例を紹介するとオルフェーブルやアーモンドアイも一口馬主で募集された馬で、いずれも4,000%以上の回収率を達成しました。
一口馬主に必要な費用
一口馬主に必要な費用は出資する馬によって大きく変わってきます。
価格帯別の主な事例をご覧ください。
費用 | 募集口数 | 募集総額 |
---|---|---|
5千円 | 2,000口 | 1,000万円 |
1万円 | 1,000口 2,000口 |
1,000万円 2,000万円 |
2万円 | 500口 1,000口 |
1,000万円 2,000万円 |
5万円 | 500口 200口 |
2,500万円 1,000万円 |
10万円 | 100口 500口 |
1,000万円 5,000万円 |
20万円 | 150口 100口 |
3,000万円 2,000万円 |
40万円 | 40口 200口 |
1,600万円 8,000万円 |
このように、金額が大きいほど口数や募集総額の選択肢が広くなります。
少額の予算であっても、募集口数が多い所を狙えば良血統で期待値が高い馬に出資することが可能です。
出資金以外にも、クラブを利用する際にかかる月額3,000円ほどの会費と、口数によって折半される馬管理費用や保険料などの維持費がかかります。
維持費は1頭あたり安いケースで月4,000円程度。口数が少ないと馬管理代だけで1万円以上必要です。
一口馬主で得られる配当
競馬の賞金は80%が馬主。残りの20%は調教師、調教助手、騎手に分配され、一口馬主は本来馬主が受け取れる金額に対して、3%前後をクラブ側への手数料で差し引かれます。
レースの賞金はグレードや条件、順位によって大きく変わりますが、1着賞金は最低でも500万円。最高はジャパンカップ・有馬記念の3億円です。
このほかにも、レースに出るだけで貰える各種手当て、保険や引退時の給付金なども受け取れます。
実際に一口馬主では累計獲得賞金10億円以上、1口あたりの分配金1,000万円以上になった馬もたくさんいます。
競馬の賞金について仕組みや条件戦、グレード、着順別の詳細を詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
当たれば非常に大きなリターンになりますし、G1馬にならなくても3勝以上すれば総額2,000万円前後の賞金になることが多く、募集額を上回る基準は思っている以上に低いものです。
しかし、一口馬主の場合は施行者(中央競馬会)からクラブ法人。そしてクラブ法人から会員の窓口になる愛馬会法人、最後に愛馬会法人から会員への分配の3回にわたって源泉徴収を取られてしまいます。
結果的に半分近くを税金で持って行かれてしまうことになるので、税引き価格で利益を出すには最低でも募集総額に対して1.5倍以上の賞金を獲得しないといけません。
3回にわたる源泉徴収が行われ、会員にお金が渡る3回目の源泉徴収以外は控除対象にならないなど、税制面は不利な要素が大きいです。
そういった税制面を補うべく、馬主としてではなく馬券をあててお金を手に入れることも可能です。
手っ取り早く利益をあげようとするのであれば、馬券の予想をする競馬情報サイトを使うと良いでしょう。
しかし、ご存知の通り競馬情報サイトは数え切れないほど多く存在します。
参考サイト:的中率と回収率で見極める競馬情報サイト