競走馬の引退後はどうなる?
競走馬の引退後は次の4パターンがあります。
- 生産馬(種牡馬・繁殖牝馬)
- 乗馬クラブなどへ譲渡
- 殺処分
- 馬主が引き取って面倒を見る
一番最後の馬主が引き取って面倒を見るのは極めて稀なケースで、一口馬主の場合はありえません。
生産馬は次の世代の競走馬を作るための馬で、活躍したり血統が良い馬など一部のみがなれるものです。
この場合は生産者へ売却して一部が一口馬主に還元される場合があります。
残念なことに全体の9割ほどが引退後は殺処分をされているのが現状です。
一口馬主の場合は、引退後は精算が行われ、その後に出資した馬に関連した費用がかかり続けることはありません。
引退時にはお金が戻ってくる
出資した馬が引退された際は、以下の分配金が支払われて最後の精算が行われます。
- 見舞金(保険支払い自由の引退だった場合)
- 抹消給付金(45~225万円)
- 保険解約の払戻金
- 生産馬としての売却配当等
大きな保険金を得られる状況や生産馬として高額売却できた除いて、引退時に戻ってくるお金の総額は大半が100~300万円程度です。そこから口数に応じて一口馬主に分配されて運用終了になります。
生産馬になった場合のルール
生産馬になった時のルールはクラブによって大きく変わります。
主な事例をご覧ください。
- 種牡馬は還元なし、繁殖牝馬は一口馬主の募集金額に対して一律10%
- 売却代金に対して20~50%
- いかなる場合でも生産馬としての売却代金は還元されない
全般的に売却代金に対して大きな割合で一口馬主に還元されるケースは少ないです。
牡馬よりも牝馬の方が、一律の買い戻し金額を用意するなど良心的な対応をしているところが多いです。
一口馬主で大成功したオルフェーブルの場合は、無償で社台が引き取って種牡馬として活躍しました。生産馬に対するリターンに関しては出資者からの評判がよくありません。
殺処分が多い現状
馬主協会やボランティア団体など、競走馬の引退後の生活を支援する動きはありますが、地方競馬を併せると毎年数千頭以上の競走馬が引退しているので、全てを受け入れる環境を作るのは困難です。
馬は維持するのにお金がかかるため、生産馬として使えない場合は大半が殺処分されています。
殺処分された馬の8割が食用になると言われていますが、競走馬は現役中に薬を使っていることが多く、人間が食べる馬肉に回るのは一部で動物園で飼育している肉食動物の餌になるケースが多いようです。
デビューしないで引退する馬は、一定期間食用のエサで育てるなどして、食用肉として活用されています。